大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和24(れ)3184 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人大塚重親、同大塚守穂の上告趣意について。

物価庁告示によつて指定された統制額を超えて取引をした犯罪の後において、そ

の告示が改廢せられ、ために右統制額が廃止又は改訂せられたとしても、右犯罪は、

犯罪時の告示に従つて処断せらるべきであつて、この場合刑法第六条、又は舊刑訴

法第三六三条にいわゆる犯罪後の法令に因り刑の変更又は廃止ありたるときに該当

しないものであることは、当裁判所の判例の示すところによつて明らかである(昭

和二三年(れ)第八〇〇號同二五年一〇月一一日言渡大法廷判決参照)されば原判

決が犯行時における統制價格を基準として物價統制令三三条(特にその但書)同三

六条を適用処断したのは正当であるといわねばならない。次に本件は裁判時におい

ても尚統制價格それ自体は存在し、従つてこれが違反の罪刑は尚現に存在するので

あるから、現在無罪とされた行為であることを前提とする所論憲法三九条に関する

主張は、その前提において理由のないことが明らかである。よつて論旨はすべて理

由がない。

右刑訴施行法二条舊刑訴四四六条に従い、裁判官全員一致の意見によつて、主文

のとおり判決する。

検察官十藏寺宗雄関輿

昭和二六年二月二三日

最高裁判所第二小法廷

裁判官 霜 山 精 一

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

- 1 -

裁判長裁判官塚崎直義は退官につき署名押印することができない。

裁判官 霜 山 精 一

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!